日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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アブラナ科植物の受粉時におけるCaイオン濃度の変動
*岩野 恵三輪 輝彦山口 有希子下里 裕子柴 博史高山 誠司磯貝 彰
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p. 71

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抄録
アブラナ科植物では、柱頭の乳頭細胞に他家(和合)の花粉が受粉すると花粉は吸水し、花粉管を発芽・伸張させ、乳頭細胞に侵入する。花粉管はさらに伸張して子房に達し受精に至る。このような一連の生殖過程において、雌蕊と花粉管の間では情報交換が行われ、花粉管の発芽・伸長が制御されていると考えられているが、その実体は明らかではない。一般に、動物および植物細胞では、外部からの刺激に対して細胞内Caイオン濃度の変動がおこり、情報が伝達されることが知られており、in vitroでの花粉管伸長過程でも、花粉管伸長に伴い花粉管内のCaイオン濃度の変動が生じることが報告されている。従って、受粉・受精過程における雌蕊細胞と花粉管のCaイオンの動態を明らかにすることは、生殖過程を理解する上で重要である。本研究では、最初に、走査電顕に装着したX線分析装置を用いて、受粉過程における花粉と乳頭細胞のCaの変動を明らかにした。さらに、細胞内のCaイオンの動態を明らかにするために、Caセンサータンパク質であるイエローカメレオンの遺伝子をシロイヌナズナに導入した植物を作製し、in vivoでのCaイオンの濃度変化を明らかにする系の構築を試みた。現在、花粉でyellow cameleonを強く発現する個体を得ており、この花粉を用いて、受粉時における花粉管の発芽・伸長とCa2+変動の関係を解析中である。
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© 2003 日本植物生理学会
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