日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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タバコBY2 β-tubulin, NTB1-5と細胞周期
*岡村 昭治山口 晶生成田 琴美守田 雅志今中 常雄
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p. 724

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抄録
 我々はタバコBY2 cDNAを3'-RACE法により増幅し,C末アミノ酸配列の異なる5種のβ-tubulin isotype,NTB 1-5の存在を推定し,それらと細胞周期の関係について調べている。
 今回我々は,これら5種の isotype について,real time RT-PCRにより個々のRNA level を比較,定量した。その結果,NTB1mRNAは全細胞周期を通じて最も多く,NTB2および3は,ほぼ同程度に存在したがNTB2の方が変動の幅が大きかった。NTB1-3に対してNTB4および5は,ずっと低い level で発現していた。全ての isotype ともM期周辺で急激に減少したことから,微小管の分布に激しい変化の起こるこの時期に何らかのmRNA level の調節 mechanism が働いていることが示唆された。
 また,NTB1-3mRNAにおいて,同一isotypeの転写産物でpolyA付着部位の異なるmRNAが存在することが分かったので,それぞれを分別定量した結果,M期周辺で短い3'非翻訳部を持つものが存在することが示唆された。その意義についてはまだ不明であるが,3'非翻訳部には翻訳調節や,RNAの安定性に関する情報などが存在することが知られており興味深い。
 一方,二次元電気泳動による蛋白質の解析からは,少なくとも5つのisoform の spot が確認されているので,現在これら各 spot の同定と修飾の可能性について検討している。
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© 2003 日本植物生理学会
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