日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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ユリ花弁アクアポリン(AqpL)の性質
丁 暁東岩崎 郁子*北川 良親
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p. 93

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抄録
ユリの花弁からアクアポリン遺伝子、AqpL1、を分離し、その性質を調べた。塩基配列から細胞膜局在型のアクアポリンであった。In vitroタンパク質合成系で26Kdaのモノマーが合成される。cRNAをアフリカツメガエルの卵で発現させて、水透過性を測定したところ、Pf= 0.72×10-3 cm/sで、対照のcRNA無しに比べれば2-3倍高かった、しかし、ヒトのAQP2に比べると3-4倍低かった。AqpL1をタバコに導入したところ、幾分生長が早い傾向があったが、調査個体を増やして調べてみないとはっきりしたことは言えない。形質転換タバコでは明らかにアクアポリンの含量が増えていることがウエスタンブロットで調べると確認できる。形質転換タバコの水透過性は高まり、Pf=4.3×10-2 cm/sであった。また、タバコの葉細胞の水伝導性も高まった。これらの結果はAqpLが水の透過に重要な役割をなしていることを示している。さらに、ノーザンで調べたところ、AqpL1は蕾で強く発現し、花弁のしおれとともに発現がみられなくなった。  
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© 2003 日本植物生理学会
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