日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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タバコ培養細胞BYー2において同定された微小管関連タンパク質
*園部 誠司
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p. S33

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抄録
植物細胞において一般的見られるに微小管構造は、表層微小管、原形質糸微小管、分裂準備期微小管束、紡錘体、膈膜形成体がある。このような多様でダイナミックな構造を作り上げるためには制御タンパク質、いわゆる微小管付随タンパク質が不可欠である。我々はタバコ培養細胞BYQを材料として、微小管付随タンパク質(MAPs)の生化学的同定を行い、これまでに、65 kDa MAP (Jiang and Sonobe 1993, Smertenko et al 2000)、190 kDa protein (Igarashi et al 2000), 210 kDa protein (Yasuhara et al 2002; tobacco MOR1 ホモログ)を同定した。65 kDa MAPは微小管の束化を引き起こす。蛍光抗体染色では細胞周期を通じて、ほぼすべての微小管構造に存在することが示されており、免疫電顕による観察から表層微小管を架橋していることが示唆された。190 kDa proteinは間期には核内に存在し、分裂期には紡錘体、膈膜形成体に存在する。微小管、アクチン両者に親和性を持っているが、その機能は不明である。210 kDa proteinは微小管の重合を促進する性質を示した。これらの微小管付随タンパク質の構造、機能に関する最近の知見を述べる。
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© 2003 日本植物生理学会
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