日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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酵母two-hybrid大規模解析系を用いたラン藻遺伝子産物の相互作用推定
*佐藤 修正中村 保一田畑 哲之
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p. 037

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抄録

 ゲノムレベルで解析された遺伝子情報を基に生命現象を理解していくうえで、遺伝子産物間相互作用を明らかにすることは重要な課題となっている。我々は全ゲノム塩基配列を決定したラン藻Synechocystis sp. PCC 6803 について、遺伝子産物の機能解析の一環として大規模な相互作用解析を計画し、酵母two-hybrid法を基にして、ベクターの改良と酵母接合を利用したスクリーニング系の導入を行うことにより大規模解析可能な系を確立した。
 このスクリーニング系を用いて、これまでにSynechocystisの二成分制御系を構成する84遺伝子および、シロイヌナズナゲノムにオルソログが保存されている605のSynechocystis遺伝子についての相互作用解析を行った結果、1,248の相互作用候補を検出し、918遺伝子で構成される相互作用ネットワークが得られた。 
 現在、解析規模をさらに拡大し遺伝子の機能アノテーションにつながるデータを得ることを目的としてSynechocystisゲノムに予測されている遺伝子のうち機能情報が得られていないものに着目し解析を行っている。また、相互作用解析と並行して、これらの相互作用情報を遺伝子機能のアノテーションに結び付けるために、得られた相互作用データをデータベース化しCyanoBaseに統合する準備も進めている。解析により得られたSynechocystis遺伝子産物相互作用ネットワークの最新情報と構築中の相互作用データベースについて報告する。

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© 2004 日本植物生理学会
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