日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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CBP2ホモログ(AtOLP)のシロイヌナズナ形質転換体の根におけるサイトカイニン応答
片島 慶二岡田 憲典松下 保彦丹生谷 博*小林 興
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p. 052

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抄録
 我々の研究室ではタバコカルスの細胞質に存在するサイトカイニン結合タンパク質(CBPs)の一種であるCBP2を単離・精製した。CBP2は分子量26kDa, Kd=1.06X10-6 Mでstress proteinの一種であるOLPと高い相同性を持ち(Plant Cell Physiol.41:148-157, 2000), 両者はSDS-PAGEおよびWestern blot分析から、構造的に一致している(B.B.B.65:2806-2810, 2001)ことが分かっている。
 今回、相同性検索によりシロイヌナズナのCBP2ホモログAtOLP (61.2%)を得た。AtOLPを過剰発現させるため、カリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーター下流に挿入し、プラスミドを構築した。このプラスミド内のDNA断片をアグロバクテリウムを介してFloral dip法によりシロイヌナズナに導入し、形質転換体を得た。その第2世代のseedlingの根を用いて、サイトカイニン(BA)の種々の濃度に対する応答を見た。その結果、10-7 M BA で野性株よりも顕著な根の伸長抑制が見られた。
 このことは、タバコのみならず、シロイヌナズナにおいてもCBP2と相同なタンパク質(AtOLP)が存在し、サイトカイニンとの応答において、なんらかの機能を果たしていることが示唆される。
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© 2004 日本植物生理学会
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