日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナ転写因子AtEBPの機能解析とストレス応答
*小川 太郎余 茘華高木 優佐藤 文彦川合 真紀内宮 博文
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p. 092

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抄録
AP2/EREBPファミリーは植物における転写因子としては最大のグループであり、その機能は多岐にわたる。我々の研究室では、本ファミリーに属するAtEBP (Arabidopsis thaliana ethylene-responsive element binding protein)遺伝子を酵母の機能的スクリーニングにより単離した(Pan et al., 2001)。本研究では、植物におけるAtEBPの転写因子としての機能を解析し、新知見を得たので報告する。
まず、AtEBPの細胞内局在を明らかにするため、GFPを用いた解析の結果、AtEBPタンパク質は核に局在することが明らかになった。次にAtEBP過剰発現タバコと、GCCボックスを含むプロモーター配列にGUS遺伝子を連結したキメラ遺伝子を有するタバコとを交配し、後代を得た。この幼植物体を用いてGUS活性を測定したところ、AtEBPはGCCボックスを介した転写活性化能を有することが示された。また、AtEBP過剰発現シロイヌナズナを用いたノーザン解析の結果、PDF1.2遺伝子などの防御遺伝子の発現量が増加した。
エチレンシグナル伝達経路におけるAtEBPの位置を明らかにするため、エチレン関連突然変異体を用いてノーザン解析をおこなった。その結果、AtEBPはERF1とは異なる経路に位置することを明らかにした。
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© 2004 日本植物生理学会
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