日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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RNAi法を用いたエチレン応答性転写因子(ERF)の発現抑制
*夏地 智之中元 志穂伊福 健太郎佐藤 文彦
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p. 093

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抄録
植物ホルモンであるエチレンによって誘導される様々なpathogenesis-related (PR) タンパク質の発現制御は、これらをコードする遺伝子の転写調節領域に存在するGCC boxによって行われている。このGCC boxと結合する転写因子として単離されたERFs(Ethylene-responsive transcription factors)はERF domainを介してGCC boxに結合し、標的遺伝子の発現調節を行っていると考えられている。
現在タバコには4つのERFが存在することが明らかとなっており、ERF1/2/4はアクチベーター、ERF3はリプレッサーとして機能していると考えられている。しかし、エチレンなどを介した外界からのシグナル伝達において、これら4つのERFがどのように相互作用し、PR遺伝子を含む内在遺伝子の発現をどのように調節しているかは明らかとなっていない。本研究ではこれらERF遺伝子の発現をRNAi法により個別に抑制した形質転換体を作製し、このシグナルネットワークを解明することを試みた。
まず各ERFに特異的な部分配列を選定し、その逆向き繰り返し配列を発現するRNAiベクターを作製した。次いで各々のRNAiベクターをタバコに導入し、ERF3, ERF4の発現が抑制された形質転換タバコを得た。現在、これらの植物におけるERF並びにPR遺伝子発現の詳細な解析を行っている。
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© 2004 日本植物生理学会
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