抄録
CND41は葉緑体DNA結合タンパク質として単離され、アスパラギン酸プロテアーゼの活性部位を保存している新規なDNA結合性プロテアーゼである。精製CND41は酸性条件下で強いプロテアーゼ活性を示す(FEBS Lett. 468:15,2000)のみならず、生理的pH条件下(pH 7.5)においても変性したRubiscoを基質とすることが認められている。またCND41の発現を抑制した形質転換体を用いた解析からもCND41が生体内でRubiscoを分解し、植物個体の老化を制御している可能性が示唆された。しかし、CND41の活性の制御については不明な点が多くある。今回、CND41を特異的に認識する抗体を用い、CND41のプロセッシングとその活性について検討を進めた。これまでにCND41の発現は加齢に伴い転写レベルで増加することを認めていたが、今回、タンパク質レベルでも顕著に蓄積が増大することを認めた。さらにCND41は加齢に伴って、分子量の小さな分子にプロセッシングされていることを示す結果を得た。このことは野生株ならびにCND41高発現株のいずれにおいても観察され、特に高発現体を用いた結果より、プロセッシングがプロテアーゼ活性の活性化に寄与していることが示唆された。このことを確認するためにプロセッシングされたCND41の精製とその機能解析を進めている。