日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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亜硫酸還元酵素のクローニングとDNA結合能の解析
*関根 康介長谷 俊治佐藤 直樹
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p. 130

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抄録
亜硫酸還元酵素(SiR)はプラスチドに局在し,フェレドキシンからの電子供与を受け亜硫酸塩を硫化水素に還元する酵素である。またSiRはプラスチド核様体を構成する主要なタンパク質でもある。すでに,シロイヌナズナ,トウモロコシ,タバコについてSiRのcDNAの塩基配列が決定されている。エンドウSiRのcDNAを得るため,それらのアラインメントからディジェネレートプライマーを設計し,エンドウのゲノムからPCRによってプローブを作成し,cDNAライブラリーからスクリーニングを行った。その結果,トランジットペプチドの途中からのアミノ酸配列をコードするcDNAを得た。また,別のライブラリーから下流側が重複する短いcDNAを得た。サザン解析の結果からエンドウではSiR遺伝子はシングルコピーであると推定されることから,二つのcDNAを繋げエンドウSiRの塩基配列とした。7日間明所と暗所で育てたエンドウを用いてノーザン解析を行った結果,SiR転写産物レベルに顕著な差は見られなかった。SiRのアミノ酸配列からは明らかなDNA結合モチーフは見つからなかったが,組換えタンパク質を用いたゲルシフト解析からSiRは葉緑体DNA以外にもクローニング用プラスミドや大腸菌由来のDNAと結合することが分かった。現在,SiRのDNAへの結合様式について詳細な解析を行っている。
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© 2004 日本植物生理学会
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