日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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光合成遺伝子発現にはゴルジ体局在型受容体キナーゼが必要
*後藤 新悟丹羽 康夫中野 達生西村 いく子小林 裕和
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p. 136

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抄録
植物緑葉における葉緑体機能の構築過程は,光などの環境要因に加えて内的プログラムに依存する.このプログラムを解明するために,アクティベーションタギング法を適用し,シロイヌナズナのカルスにおいて光合成遺伝子RBCS が発現するようになった突然変異系統 ces 101 (callus expression of RBCS ) の選抜に成功した.発現が最も促進されていた受容体キナーゼ遺伝子を親系統に導入し発現させたところ,ces 101の表現型が再現できた.したがって,CES101は受容体キナーゼであると考えられた.リアルタイムRT-PCR解析によって,CES101は葉特異的に発現していることが明らかになった.また,CES101とmRFP1との融合タンパク質を発現するコンストラクトを構築し,ゴルジ体局在sGFP遺伝子と一過性発現させた.その細胞内局在を共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察したところ,CES101はゴルジ体に局在していた.ces101 系統カルスと親系統カルスにおける転写産物量をマイクロアレイにより解析した結果,ces101 系統において多くの光合成関連遺伝子の発現が高くなっていた.ces102 系統カルスにおいても,アクティベーションタグされ活性化された遺伝子の解析を行っているので,あわせて報告する.
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© 2004 日本植物生理学会
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