日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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GI 依存型および非依存経型の経路を介した概日リズムによる花成制御
*藤原 すみれGeorge Coupland鎌田 博溝口 剛
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p. 160

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抄録
シロイヌナズナの概日リズムは、概日時計本体の因子であるLHY、CCA1、TOC1、GIなどが形成するフィードバックループによって生み出されていると考えられる。光周期に依存したシロイヌナズナの花成促進経路にも、概日リズムによる制御機構が深く関与している。我々は、多重変異体を用いた遺伝学的解析および発現解析を主な手法とし、概日リズムによる花成時期の制御機構の解明を目指している。短日条件下ではlhy cca1 二重機能欠損株は極端な早咲き形質を示す。今回我々は、この形質が主に、1)GI の発現の位相の前進、2)CO の発現位相の前進、3)FT の発現レベルの大幅な上昇によって引き起こされている可能性を提示した。また、このようにFT の発現は主にGI-CO-FT という転写のカスケードを介して概日リズムに制御されているのに対し、CO の下流でFT と並んで花成促進因子として働くと考えられるSOC1 は、各種多重変異体においてFT と異なる発現パターンを示し、GI 依存経路とGI 非依存経路の二つの経路を介して、概日時計からの制御を受けていることを見出した。今回は、SOC1 の発現制御機構の解析結果を中心に報告する。
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© 2004 日本植物生理学会
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