日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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青色光と赤色光による孔辺細胞表層微小管の構築と気孔開口のメカニズムの解析
*光井 友梨笹野 奈緒子馳澤 盛一郎近藤 矩朗
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p. 232

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抄録
気孔は光照射により開口するが、中でも青色光と赤色光が浸透圧調節により気孔開口を促進する事が知られている。一方、我々は気孔開閉には孔辺細胞の浸透圧変化の他に表層微小管が関与していることを示唆する結果を報告している。表層微小管は概日リズムにより、明け方気孔が開く際に構築され始め、日中は放射状の配向をとり、夜間には消失するという事を報告したが、どのような光が微小管構築に関与しているかは不明である。そこで光による放射状表層微小管の構築と気孔開口のメカニズムを解明する事を目的に、ソラマメの葉で、青色光および赤色光照射下における放射状表層微小管構築と気孔開口度との関係を調べた。その結果、表層微小管は青色光下でも赤色光下でも構築されたが、気孔開口度は青色光を照射した時の方が大きかった。次に、プロピザミドを用いて表層微小管構築を阻害したところ、青色光下のみで気孔開口度の上昇が阻害された。さらに、GFPにより微小管を可視化したシロイヌナズナを用いて青色光あるいは赤色光を照射して気孔開口度と表層微小管の構築を調べたところ、気孔開口度はソラマメと同様に青色光照射時の方が大きかった。青色光でも赤色光でも表層微小管は構築されたが、青色光照射時の方が、よりはっきりした放射状配向を示した。現在表層微小管の配向と気孔開口との関係を調べつつ、さらに微小管構築に関与している光受容体について検討している。
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© 2004 日本植物生理学会
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