日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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多重変異体比較法による、青色光受容体、cry1、cry2、phot1、phot2の機能解析
*大岸 麻紀佐治 健介岡田 清孝酒井 達也
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p. 233

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抄録
シロイヌナズナでは、二種の青色光受容体、cryptochrome、phototropinが存在し機能している。Cryptochromeのcry1、cry2は光形態形成を制御し、phototropinであるphot1、phot2は運動応答を制御している。そしてそれぞれ同種の青色光受容体は光強度依存的に重複して機能している。しかし、cryptochromeとphototropinとの間に共通の青色光応答制御が存在するのかどうかは、従来の機能欠失型の機能解析からは、殆ど明らかになっていない。そこで、我々は多重変異体比較法を用い、機能重複に隠されたそれぞれの青色光受容体の機能を検出することを試みた。
これら四つの青色光受容体全てを欠失した四重変異体を作成し、そのうち一つが回復した三重変異体と、その青色光応答能を比較した。その結果、cryptochromeが新規の青色光に依存したランダムな胚軸の屈曲を制御していること、phototropinが子葉展開という光形態形成に関与していることが明らかになった。マイクロアレイ解析では、青色光応答遺伝子の発現制御において、cry1、cry2は独立に主要な役割を果たしているが、phot1、phot2は補佐的にしか機能していないことが明らかになった。
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© 2004 日本植物生理学会
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