日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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植物細胞壁ペクチンの生合成に関わるガラクトース転移酵素
*古西 智之小竹 敬久円谷 陽一
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p. 239

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抄録
ペクチンは高等植物の細胞壁に含まれる多糖の一種で、セルロース、ヘミセルロースとともに植物細胞壁を構成している。本研究では、細胞間接着や細胞壁の間隙形成等に関わると考えられているペクチン側鎖のβ-1,4-ガラクタンの生合成機構に着目した。これまでに、ガラクタン合成に関わるダイズ胚軸のガラクトース転移酵素 (GalT) について、酵素の特徴付けを行なった (Planta, 印刷中)。本酵素をはじめ糖転移酵素の多くはゴルジ体に局在する膜結合型酵素と考えられているが、生化学的手法による植物の糖転移酵素精製は数例しかない。今回はGalTの更なる解析のため、酵素の可溶化、精製について検討した。
ダイズ胚軸の粗膜画分から、0.75% (w/v) Triton X-100の存在下でGalTの可溶化を検討したところ、総活性の7~8割が可溶性画分に回収された。続いて各種クロマトグラフィーによるGalTの精製を試みた。可溶化GalTは陽イオン交換体に吸着し、かなりの夾雑タンパク質と分離して溶出された。現在、精製標品を用いた生化学的特徴付け、アミノ酸配列解析、ならびにGalT遺伝子の同定を目指して、各種クロマトグラフィーによる酵素の精製を進めている。
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© 2004 日本植物生理学会
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