日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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アスパラガス不定胚形成におけるネオリグナン合成系の解明
*竹田 浩之中川 直樹桜井 直樹
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p. 247

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抄録
デヒドロジコニフェリルグルコシド(DCG)はバラの腫瘍細胞から発見されたサイトカイニン様の細胞増殖活性をもつネオリグナンである。我々はアスパラガスが不定胚を形成する時にアポプラストに分泌され、コニフェニルアルコール(CA)を2量体化しデヒドロジコニフェリルアルコール(DDCA)に変換するペルオキシダーゼ、AoPOX1をクローニングした。DDCAはDCGのアグリコンなので、我々はアスパラガスが不定胚を形成する時にネオリグナンが細胞増殖・分化を同調的に制御しているという仮説を提唱した(Takeda et al. 2003)。DCGの生合成はアポプラストに分泌されたCAがペルオキシダーゼによってDDCAへ変換され、その後グルコシル化される経路と、細胞内でCAがグルコース配糖体(CAG)となり、アポプラストでCAと結合する経路が考えられる。アスパラガスの細胞壁タンパク粗酵素画分を用いた実験ではDDCAはDCGに変換されなかった。そこで現在、不定胚細胞内でCAがCAGに変換されるか、また培地中のCAGやDCGの濃度を検討している。
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© 2004 日本植物生理学会
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