日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおけるストレス誘導性遺伝子、WRKY40の機能解析
*亀井 綾子関 原明藤田 美紀籐 泰子篠崎 一雄
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p. 256

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抄録
WRKYタンパク質は植物特異的な転写因子であり、傷害・病原菌感染時のシグナル伝達に関与する転写因子と考えられてきた。WRKY40(At1g80840)は、サリチル酸処理で遺伝子発現が誘導されることがDongらによって報告された(Dong, 2003)。本研究において我々は、WRKY40がメチルジャスモン酸、アブシジン酸、エチレンのホルモン処理においても同様に、処理後30分で発現誘導が起こることをノーザンハイブリダイゼーション実験から得た。また、完全長cDNAマイクロアレイを用いた実験よりWRKY40遺伝子が乾燥、塩、低温のabiotic stressでも発現が誘導されることが明らかになり、この結果はノーザンハイブリダイゼーションでも確認できた。以上のことから、WRKY40がbiotic stressだけでなくabiotic stressの両方に機能していることが示唆された。植物体におけるWRKY40の機能を明らかにするため、WRKY40遺伝子の過剰発現、発現抑制、およびRNAi形質転換体をそれぞれ作製した。
 環境ストレス条件下での各変異株の生育及びWRKY40タンパク質の標的遺伝子候補について合わせて報告する。
Dong J, Chen C, Chen Z. (2003) Plant Mol Biol. 51(1):21-37
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© 2004 日本植物生理学会
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