日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネのネオザンチン開裂酵素(NCED)のクローニングと解析
*桂 幸次伊藤 裕介井内 聖小林 正智篠崎 一雄篠崎 和子
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p. 257

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抄録
ネオザンチン開裂酵素(NCED)は植物ホルモン(ABA)の生合成の鍵酵素として知られている。シロイヌナズナでは7種類のNCEDからなる遺伝子ファミリーを形成しているが、その一つであるAtNCED3遺伝子は乾燥で強く誘導されるこが報告されている。AtNCED3遺伝子をトウモロコシのユビキチン遺伝子のプロモーターの下流に結合させたコンストラクトをイネに導入して、AtNCED3を恒常的に発現する形質転換イネを作出した。得られた形質転換体はABA量の増加がみられ、耐乾燥性を示した。そこで、イネにおけるNCEDの機能を調べるために、イネのゲノム配列のホモロジー検索をおこなった。トウモロコシのNCEDであるVp14に相同性のある3つのNCEDが存在し、それらのNCEDはORF上でイントロンの無い遺伝子と推定された。配列情報をもとにして、ゲノムもしくはcDNAからPCRを用いてクローニングをおこなった。クローニングした3つのNCEDをノザン解析した結果、2つのNCEDが高塩もしくは乾燥ストレスによってmRNAの蓄積がみられた。
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© 2004 日本植物生理学会
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