日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナ培養細胞のメタボローム解析
*鈴木 秀幸浦野 晶子森下 宜彦櫻井 望峠 隆之柴田 大輔斉藤 和季
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p. 319

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抄録
 工業原材料植物に蓄積する有用な代謝産物の生産を制御するために、代謝経路に関与する遺伝子の機能解析を行う必要がある。ゲノム解読されているモデル植物のメタボローム(細胞の全代謝物)解析は、植物に共通な代謝経路の解明が可能となり、その成果は多種多様の植物の代謝経路の解明及び生産制御に応用可能である。この目的のため、発生・分化に関わらない代謝経路の解明には、培養細胞が適している。
 我々はHPLC/PDA/MS(液体クロマトグラフ/フォトダイオードアレイ検出器/イオントラップ型質量分析計)、CE/MS(キャピラリー電気泳動/質量分析計)、GC/TOF/MS(ガスクロマトグラフ/飛行時間型質量分析計)から得られた分析データを統合して網羅的な代謝産物を分析することにより1000近くのピークの検出が可能となった。
 シロイヌナズナT87培養細胞の80%エタノール抽出液を逆相HPLC/PDA/MSに付し、作成したフラボノイドマスライブラリーとタンデムMS分析結果より、数種のフラボノイド配糖体(Kaempferol配糖体)を同定した。HPLC/PDA/MS分析で得られる他の芳香性化合物の同定を進め、脂質などの揮発性誘導体を検出可能なGC/TOF/MS及びアミノ酸、有機酸などの代謝産物の検出可能なCE/MSでシロイヌナズナT87培養細胞の代謝産物を分析したので報告する。
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© 2004 日本植物生理学会
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