日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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メタボロームとトランスクリプトームを統合する植物代謝パスウェイデータベース
*時松 敏明櫻井 望Srinesh Kundu古江 基樹鈴木 秀幸斉藤 和季柴田 大輔
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p. 321

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抄録
植物物質生産機能の解析・改良は、工業原材料植物が生産する多様な代謝産物をより高度に利用するための重要な課題である。植物ゲノムの解読が進み、トランスクリプトミクス、メタボロミクス等の網羅的な研究手法が可能となった。植物物質生産機能の解析のため、DNA アレイと代謝プロファイリングにより代謝の変化を比較し、代謝関連遺伝子の同定を行う過程で、DNAアレイと代謝プロファイリングを統合するWebベースの代謝経路データベース、Kazusa Pathway Viewer (KPV)の開発を行った。KPVの主要な機能は、1)代謝産物プロファイルデータと遺伝子発現プロファイルデータのデータベース化、2)任意の実験間の代謝産物プロファイルデータと遺伝子発現プロファイルデータを植物代謝マップ上で同時に比較・表示である。代謝マップは、工業原材料物質の生産に主に関与する二次代謝経路を中心に、代謝経路間の連携を理解しやすいように作成をした。代謝マップの描画形式はScalable vector graphic (SVG) 形式を用いている。SVG形式の採用は、Web上でプロファイルの変化を動的に色表示することを可能にした。今回、モデル植物シロイヌナズナの代謝マップを載せたシステムを紹介する。今後、他のモデル植物や工業原材料植物の代謝マップの追加、解析機能の強化等を行う予定である。
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© 2004 日本植物生理学会
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