日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネジベレリン生合成酵素遺伝子の解析
*坂本 知昭三浦 孝太郎伊藤 博紀辰巳 朋子上口(田中) 美弥子石山 加奈子小林 正智Ganesh K. Agrawal武田 真阿部 清美宮尾 安藝雄廣近 洋彦北野 英己芦苅 基行松岡 信
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p. 331

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抄録
イネにおけるジベレリン(GA)代謝系の概容を明らかにすることを目的として、ジベレリンの生合成に関わるCPD合成酵素(CPS)、カウレン合成酵素(KS)、カウレン酸化酵素(KO)、カウレン酸酸化酵素(KAO)、20酸化酵素(GA20ox)、3酸化酵素(GA3ox)と、ジベレリンの不活化に関わる2酸化酵素(GA2ox)をコードすると考えられる29の候補遺伝子を、ゲノムデータベース解析により単離した。発現解析や突然変異体の解析の結果、ジベレリン生合成の前半に関与するCPS、KS、KO、KAOはそれぞれ1遺伝子にコードされていると考えられたのに対し、後半に関与するGA20ox、GA3ox、GA2oxは遺伝子ファミリーを構成していた。シロイヌナズナとは異なり、CPS様、KS様、KO様遺伝子はイネに複数存在し、染色体上でクラスターを構成していた。それらのうちのいくつかの遺伝子は、紫外線処理やエリシター処理により発現が誘導されたことから、ジベレリン生合成ではなくファイトアレキシン生合成に関与していると考えられた。
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© 2004 日本植物生理学会
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