日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ブラシノライドにより発現制御されるイネ遺伝子の22Kマイクロアレイ解析
*冨田 千賀子森 昌樹島谷 善平橋本 晶子山田 仁美大岡 久子佐藤 浩二吉田 由美子竹内 桂子関本 均菊池 尚志
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p. 338

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抄録
我々はこれまでイネの極わい性変異体brd1の単離,解析を行い,この変異体ではブラシノステロイド(BR)生合成酵素BR-6-oxidaseをコードしているOsBR6ox中の欠失によりBR生合成がdefectiveになっていることを明らかにしている1).今回はBR生合成変異体brd1及びイネ22Kマイクロアレイを用い,ブラシノライド(BL)添加により発現量の変化する遺伝子を網羅的に探索することを目的とした.brd1にBL添加3時間後,及び24時間後の遺伝子発現を非添加のものと比較した.その結果BL添加3時間後では,コントロールに対して2倍以上発現量の増大する遺伝子が21個,減少する遺伝子が20個見いだされた.また,BL添加24時間後では,コントロールに対して発現量の増大する遺伝子が95個,減少する遺伝子が17個見いだされた.発現量に変動のみられた遺伝子43個を選抜しreal time-PCRを用いて確認した結果,約90%がマイクロアレイの結果と一致した.また,同条件で再度栽培,抽出したRNAを用いてbiologicalな再現性をreal time-PCR で調べたところ、現在までに調べた23個のうち約50%の遺伝子について再現性が確認された.これらの中には転写因子,細胞壁合成関連遺伝子,植物ホルモン関連遺伝子等が含まれていた.
1) Mori et al.,Plant Physiol. 130:1152-1161. (2002)
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© 2004 日本植物生理学会
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