抄録
個々の微小管は伸長 ( 重合 ) と収縮 ( 脱重合 ) という二つの状態をダイナミックに変化させており、この動態を「動的不安定性」と呼ぶ。植物の間期細胞では、微小管は表層微小管束を構築し、速く伸長する細胞では表層微小管は伸長方向に対して直角に配向する。我々は動的不安定性がいかに伸長細胞の表層微小管の配向ひいては細胞の伸長方向に影響しているかを評価するため、GFP を付加した β-チューブリン 6 たんぱく質を構成的に発現させるシロイヌナズナ形質転換体を用い、共焦点レーザースキャン顕微鏡により、植物体の in vivo での表層微小管の動態を観察し、動態のパラメーターを数値化した。さらに、微小管薬剤無添加培地の植物体と根が左巻きねじれを示す微小管薬剤添加培地の植物体で表層微小管動態のパラメーターを比較した。ねじれ変異株についても同様に解析を計画している。