日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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Synechocystis sp. PCC6803におけるフィトクローム様タンパク質遺伝子により発現量増加制御をうける光応答遺伝子
*片山 光徳耿 暁星小林 真理金久 實池内 昌彦
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p. 385

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抄録
シアノバクテリアは他種のバクテリアに比較して多くのフィトクロム様の構造を持つタンパク質の遺伝子を有するが、これらの生理機能について得られている知見は非常に少ない。我々はフィトクローム様タンパク質による光応答性の遺伝子発現制御を解析するため以下に実験を行った。Synechocystis sp. PCC6803のフィトクロム様タンパク質をコードする遺伝子sll0821, sll1124, sll1473, slr0473, slr1212, slr1393, slr1805, slr1969の破壊株の細胞を12時間暗黒下に置き、その後に1時間光を照射した際に野生株では暗所から明所の移行により発現量が2倍以上に増加もしくは半分以下に低下するがフィトクロム様遺伝子破壊株では光応答性の変動の割合が野生株の1/2以下に減少した遺伝子をフィトクロム様光受容体により発現制御されている遺伝子の候補としてDNAマイクロアレイ解析により選別した。その結果sll1473がcpcG2遺伝子の光応答性を特異的に制御していることが明らかとなった。他のフィトクローム様タンパク質遺伝子破壊株においても連続光照射下では観察されなかった特徴的な影響が観察された。sll1473に制御される光応答遺伝子cpcG2の発現制御機構についてはさらなる解析を進めているので合わせて報告する。
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© 2004 日本植物生理学会
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