日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シアノバクテリアSynechocystis sp. PCC 6803における新規センサーフラビン結合型PASドメインの解析
*岡島 公司成川 礼近藤 久益子落合 有里子片山 光徳池内 昌彦
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p. 384

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抄録
青色光やレドックスのセンサードメインとしてフラビンなどを結合するPASドメインスーパーファミリーが知られている。大腸菌のAerタンパク質は、FADを結合したPASドメインがレドックスのセンサーとしてエアロタキシスを調節していることが知られている。このようなセンサーPASドメインをシアノバクテリアSynechocystis sp. PCC 6803のゲノム上で探索したところ、Slr1759タンパク質を見いだした。Slr1759は、2つのPASドメインと1つのGAFドメイン、Hisキナーゼ、レスポンスレギュレータドメインをあわせ持つマルチドメインタンパク質で、そのN末側にあるPASドメインはAerのFAD結合ドメインと相同性が認められた。これらのドメインを含む領域をHisタグ融合タンパク質として大腸菌で発現させ、可溶性画分から精製を行った。こうして得たSlr1759部分タンパク質は、フラビンタンパク質に特徴的な吸収スペクトルを示したが、Aerタンパク質の吸収スペクトルとは違っていた。現在、このフラビンのレドックスの応答性とslr1759遺伝子の破壊株の表現型を検討しているので、あわせてフラビンの役割を議論する。
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© 2004 日本植物生理学会
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