抄録
タバコは生理学ならびに生化学における有効なモデル植物でありながら、いままで分子生物学的、遺伝学的な解析ツールが充実していなかった。そこで、我々は2倍体タバコであるNicotiana sylvestrisの根部と葉部から部分的に平均化したcDNAライブラリーを構築した。得られた約13,000のcDNAクローンをシークエンスした結果、約6,500の非重複配列が得られた。それらをGenbankに登録されているNicotiana属の核ゲノムコードの配列と比較した結果、非重複配列は約3,500の遺伝子に由来することが推測された。これらのESTを用いてcDNAマイクロアレイ・チップを作成し、ニコチン生合成系に関連するタバコの遺伝子転写レベルの動向を解析している。