日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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カーネーション花弁で発現する遺伝子の解析―特に糖転移酵素遺伝子について
*中村 典子石黒 加奈子小埜 栄一郎奥原 宏明落合 美佐田中 良和
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p. 419

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抄録
 カーネーションは重要な花卉の一つである。(1)カーネーション花弁における物質代謝の理解と、(2)黄色の花を作出する上で有用なツールである2’,4,4’,6’-テトラヒドロキシカルコン2’-糖転移酵素(THC2’GT)遺伝子の取得を目的としてカーネーション花弁で発現している遺伝子を解析した。
 黄色カーネーション花弁のcDNAライブラリーから2,600クローンのESTを得た。この中にはフラボノイド合成に関わると考えられる構造遺伝子及び3種のGT遺伝子が見出された。次に、花弁―葉のサブトラクションcDNAライブラリーから3,700クローンの配列を決定し、新たに16種のGT遺伝子を見出した。また、既知GT遺伝子をプローブとして花弁cDNAライブラリーをスクリーニングすることにより、新たに16種のGT遺伝子を見出した。以上によりカーネーション花弁において多様なGT遺伝子が発現していることがわかった。アラビドプシスのゲノム中には約100種のGT遺伝子があるが、カーネーションはこれを上回るGT遺伝子を持つことが期待され、これらの機能解析は興味深い課題である。
(本研究の一部は生研センターからの受託で実施)
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© 2004 日本植物生理学会
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