日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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テトラヒドロキシカルコン2’-糖転移酵素遺伝子のクローニングと機能解析
*奥原 宏明石黒 加奈子廣瀬 知華高 マイ戸上 純一中村 典子小埜 栄一郎落合 美佐福井 祐子山口 雅篤田中 良和
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p. 420

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抄録
 2’,4,4’,6’-テトラヒドロキシカルコン2’-糖転移酵素(THC2’GT)は、黄色を呈するテトラヒドロキシカルコン(THC)を無色のナリンゲニンへと異性化するのを抑制し、細胞内で安定化させることから、THC2’GT遺伝子は黄色の花の分子育種に有用である。カーネーション(Dianthus caryophyllus cv. light cream candle)の黄色花弁から得られた35個の糖転移酵素(GT)遺伝子を大腸菌で発現させ、それぞれの組み換えタンパク質のC2’GT活性を測定した。クローンT170、T128、CGT93、S12A2にin vitroでのTHC2’GT活性が見られた。これらの遺伝子をペチュニアで発現させたところ、T170およびT128を発現しているペチュニアでTHC2’-glucosideが合成されていた。しかしながらその蓄積量が少ないためか、花弁が黄色を呈するには至らなかった。
 シクラメン(Cyclamen persicum)、ニチニチソウ(Catharanthus roseus)の花弁cDNAライブラリーからT170のホモログ遺伝子をクローニングした(YCy3-12, YMb4)。これらを大腸菌で発現させ、酵素活性を測定したところやはりTHC2’GT活性が見られた。
(本研究は生研センターからの受託で実施した)
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© 2004 日本植物生理学会
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