日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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CO2 free 条件下で機能するalternative電子伝達経路の遺伝学的解析
*堀口 清華宗景 ゆり田坂 昌生鹿内 利治
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p. 427

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抄録
PSΙ cyclic電子伝達は、PSΙ からの電子受容体であるフェレドキシンあるいはNADPHから電子をプラストキノンに戻し、シトクロムb6f 複合体を再び通過させる電子伝達で、CO2 free条件下や強光下でのNPQ誘導に大きく貢献している。PSΙ cyclicにはFQR依存とNDH依存の2つの経路が関与している。当研究室において、FQR活性に異常があるシロイヌナズpgr5 変異株と、NDH活性を欠くcrr 変異株群が既に単離されている。我々は、FQR、NDHとともに働くalternative電子伝達経路の変異株を得る目的で、CO2 free, 5%O2条件下で高いクロロフィル蛍光を示すシロイヌナズナ変異株を選抜した。CE46-48はCO2free条件下で野生株に比べてNPQの誘導能、PSΙΙの量子収率が低下する変異株である。また、NPQ誘導能は光合成誘導期(光照射後1分)では低いが、定常状態では回復する。pgr5 及び crr2 との比較により、CE46-48はFQR経路及びNDH経路以外の光合成誘導の初期段階に機能するalternative電子伝達経路に関与している事が示唆された。現在O2 への電子伝達活性に対する影響の有無を調べている。
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© 2004 日本植物生理学会
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