日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

CPCタンパク質の細胞間移行に必要な2つのモチーフと相互作用因子について
*倉田 哲也野口 昌敬佐野 亮輔岡田 清孝和田 拓治
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 436

詳細
抄録
根毛形成の正の制御因子であるCPCタンパク質の機能発現には、根の表皮細胞における細胞間移行が重要なステップである。この分子機構の解明は高等植物の発生における細胞間相互作用の理解につながると考えられる。
 これまでにCPCタンパク質の欠失シリーズとGFP融合遺伝子の形質転換植物体を用いた解析で、CPCタンパク質の細胞間移行に必要なモチーフをN末端領域とMyb領域のC末端側に2か所同定した。さらにこのモチーフ中にいくつかのアミノ酸置換変異を導入し移行能の検定を行ったところ、Myb領域のC末端側に存在する2つのアミノ酸 (W76、M78) のアラニンへの置換変異体W76AとM78Aで細胞間移行の低下が観察された。W76A変異体では核移行能も低下していた。
 次に、酵母two-hybridスクリーニングを行いCPCと相互作用し、細胞間移行に関与する因子の検索を行った。相互作用に必要な2つのモチーフを含む最小領域をベイトにシロイヌナズナの根由来のライブラリーをスクリーニングし数種類の候補クローンを得た。このうち#1クローンは細胞間移行能が低下するW76Aアミノ酸置換変異を導入したベイトとの相互作用が低下していたことから細胞間移行に関与することが強く示唆された。#1は機能未知なタンパク質をコードしており、推定配列からD/E/Kの3つのアミノ酸に富んだドメインをC末端側に持っていた。
著者関連情報
© 2004 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top