日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネISAアイソザイムの解析と植物間比較
*内海 好規久保 亜希子中村 保典
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p. 447

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抄録
 近年、ジャガイモのイソアミラーゼ (ISA) がアミロペクチン合成に必須である事が明らかになり、ジャガイモでは3つのアイソザイムのうち、それ自身では活性のないISA2がISA1と複合体を形成する事が報告された。トウモロコシ、コムギ、オオムギ、シロイヌナズナにおいてもゲノム上に各1コピーが存在する事が分かっている。イネにおけるISAのアイソザイムに関する基礎的知見について報告する。
 RT-PCR法を用いてイネ胚乳および葉身のmRNAからOsISA2, OsISA3のcDNAを単離した。OsISA1に対するOsISA2とOsISA3の推定アミノ酸配列の相同性はそれぞれ34%と44%だった。OsISA2はジャガイモでの報告と同様、イントロンが存在しなかった。OsISA1は胚乳でのmRNA発現量が顕著に高く、OsISA2は胚乳と葉身の両者、OsISA3は葉身で発現量が高かった。イネ、ジャガイモおよびコムギより精製したISAの2次元電気泳動の結果、ジャガイモではOsISA1と2のバンドが確認されたが、イネとコムギではOsISA1の単一バンドのみが観察された。これらの結果から、ジャガイモISAとは異なり、イネとコムギのISAはホモオリゴマーであることが推測された。
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© 2004 日本植物生理学会
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