日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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硫黄同化に関与するシロイヌナズナセリンアセチル転移酵素の機能解析
*野路 征昭Kawashima Cintia渡邉 むつみ斉藤 和季
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p. 453

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抄録

セリンアセチル転移酵素 (SATase) は、セリンとアセチルCoAより硫黄同化、システイン生合成の重要な中間体であるO-アセチルセリン (OAS) を生成する酵素である。シロイヌナズナゲノムには5つのSATaseアイソザイム遺伝子が存在している。そのうち主要な3つのアイソザイムであるSAT-c, SAT-p, SAT-mについては、その細胞内局在性がそれぞれ細胞質、プラスチド、ミトコンドリアであること、またSAT-cはシステインによるフィードバック阻害を受けるがSAT-p, SAT-mは受けないことが明らかとなっている。今回、未だ解析のされていない2つのSATaseアイソザイム、SAT106, SAT#5について組換えタンパク質を用いて酵素の性質を解析したところ、2つの酵素とも、セリンとアセチルCoAからOASを生成することは示されたが、基質に対する親和性は両酵素とも弱いものであった。また、SAT106, #5とも細胞質に局在すると思われ、SAT106はシステインによるフィードバック阻害を受けないがSAT#5は強くフィードバック阻害を受けることが明らかになった。現在、それぞれのSATaseアイソザイムの役割を明らかにするために、様々なストレス条件下での5つのSATaseの発現解析やノックアウト植物の解析を行っている。

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© 2004 日本植物生理学会
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