日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

シロイヌナズナ-病原糸状菌相互作用における新しい植物感染実験システムの確立
*鳴坂 義弘鳴坂 真理朴 杓允久保 康之平山 隆志関 原明白石 友紀石田 順子中嶋 舞子槐 亜希子桜井 哲也佐藤 将一小林 正智篠崎 一雄
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 454

詳細
抄録

アブラナ科野菜類炭そ病菌がシロイヌナズナColumbia(Col-0)に感染することを発見した。37種類のシロイヌナズナエコタイプを解析した結果、この病原菌に抵抗性を示す11種類のエコタイプを得た。特に強い抵抗性を示したエコタイプEil-0と感受性エコタイプCol-0を用いて植物-病原糸状菌相互作用について解析を行った。その結果、Eil-0の炭そ病菌に対する感染初期における抵抗反応には過敏感細胞死やファイトアレキシンは重要ではないことが示唆された。また、ノーザン解析やcDNAマイクロアレイ解析により、この病原菌に対する防御シグナル伝達機構はジャスモン酸/エチレン経路であることが明らかになった。さらにEil-0とCol-0を交配して得られたF2個体を解析したところ、抵抗性:感受性は3:1に分離し、この抵抗性は優勢かつ1遺伝子支配であることが示唆された。現在、この遺伝子のマッピングを行っている。

著者関連情報
© 2004 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top