日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

誤りがち損傷乗り越え複製に関与するAtREV1及びAtREV7の遺伝子破壊系統の解析
*高橋 真哉坂本 綾子佐藤 修正加藤 友彦田畑 哲之田中 淳
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 472

詳細
抄録
 生物はDNA変異原の曝露等により生じるDNA損傷の影響を回避するために、様々な機構を備えている。DNA損傷乗り越え複製(TLS)はその一つである。近年、誤りがちなDNA損傷乗り越え複製(error-prone TLS)に関わる、DNAポリメラーゼζのサブユニットREV3のシロイヌナズナホモログ(AtREV3)の遺伝子破壊系統rev3-1が単離、解析され、植物でもerror-prone TLSの存在が示唆された。本研究では、error-prone TLSで機能していると予想される、シロイヌナズナAtREV1AtREV7遺伝子の遺伝子破壊系統の単離、解析を行い、植物のerror-prone TLSについてより詳細な解析を試みた。
 At5g44750遺伝子(AtREV1)にT-DNAが挿入されたタグライン(rev1-1)は、UV-B、γ線、MMCに対して感受性を示し、rev3-1株のDNA変異原に対する感受性と傾向が似ていた。この結果はAtREV1がDNA変異原によって誘導された各種DNA損傷の回避に関与していることを示唆しており、植物にも他の生物と同様のerror-prone TLSが存在すると考えられた。さらに我々はAtREV7にT-DNAが挿入されたタグラインについても単離、解析を行ったので、その結果についても併せて報告する。
著者関連情報
© 2004 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top