日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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22Kライスオリゴマイクロアレイ法を用いた2種類の浸水処理により誘導されたイネ遺伝子の発現解析
*山田 仁美大岡 久子佐藤 浩二田崎 公久Jung-Sook Lee河合 純Carninci Piero林崎 良英大友 康裕村上 和雄松原 謙一菊池 尚志
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p. 474

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抄録
22Kライスオリゴマイクロアレイを用いて、イネの網羅的な遺伝子発現解析を行うため、イネのライフサイクルとイネ実生に様々なストレス処理を行った。24時間のストレス処理過程において、同じ浸水処理でも縦型浸水処理(FS)と横型浸水処理(FD)では異なる表現型を示したため、この2種類の浸水処理により誘導された遺伝子の発現解析を行った。2種の浸水ストレスにより22Kマイクロアレイ上の1,166個の遺伝子がコントロールに比べて2倍もしくは1/2倍の発現変動を受けていることが確認された。24hrのFS処理では約5%(962gene)、24hrのFD処理では約2.3%(469gene)の遺伝子がストレスに応答していた。共通して発現が上昇した遺伝子数は130個あり、グルコース生合成系や多糖分解酵素などが含まれていた。一方、発現が減少した遺伝子数は132個あり、硝酸リダクターゼ、タンパク質分解酵素などが含まれていた。処理特異的な発現では、FS処理では減少した遺伝子の方が多く約400個、FD処理では上昇した遺伝子の方が多く約130個であり、2種の浸水処理応答の遺伝子パターンが異なることが明らかとなった。現在、これらの共通、処理特異的遺伝子の転写調節因子や上流プロモータ配列について解析を進めている。さらにライフサイクルや他のストレス応答遺伝子との相互作用についても調査している。
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© 2004 日本植物生理学会
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