日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネ根の低リン・アルミニウムストレス応答に対するプロテオーム解析
*齊藤 徹福田 琢哉和崎 淳信濃 卓郎大崎 満
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p. 479

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抄録
 多くの植物は酸性土壌での生育が著しく悪く、その要因としてリン欠乏とアルミニウム障害をあげることができる。一方、イネはリン欠乏やアルミニウム障害 に対して強い耐性を有することが知られており、これらのストレスに応答する遺伝子に対しては数多くの研究がなされている一方で、タンパク質の応答機構は不明な点が多い。
 そこで、本研究ではイネ根由来タンパク質の量的プロファイリングのために1)イネ(品種:みちこがね)に対し、第七葉期に+P処理(32.3μM,pH3.5)、-P処理(0μM,pH3.5)、+Al処理(3.15mM,pH3.5)を与え、処理開始から0,12,24,72,120時間後、P処理区に対してはさらに10日目に試料採取を行った。2)イネの根からタンパク質をTris-HCl/NaCl bufferで抽出後、濃縮を行い、7M Urea/2M Thiourea bufferで再融解を行った。3)二次元電気泳動による分離後、処理間で生じるタンパク質の発現量の変動を網羅的に測定し、量的変動の有無に関わらずMALDI-TOF-MSまたはエドマン分解によるN-末端アミノ酸シーケンスによってタンパク質の同定を進めている。その結果、15のタンパク質に対し同定が成功した(2003年11月現在)。同定されたタンパク質に基づき、イネ根の低リンと高アルミニウム処理に対する代謝変動を考察する。
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© 2004 日本植物生理学会
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