日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ニンジンにおけるストレス誘導性PAL遺伝子の発現制御に関与するMYB転写調節因子の機能解析
*前田 和寛木村 惣一近川 幸恵竹田 淳子植野 洋志小関 良宏
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p. 521

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抄録
Phenylalanine ammonia-lyase (PAL)は一次代謝系から二次代謝系へと導入する初発の酵素であり、これ以降の複雑な広がりをなす二次代謝系の流れを左右する律速酵素として重要であることから、その発現機構について注目されている遺伝子である。先の研究により、ニンジン培養細胞系においてニンジンPAL遺伝子(gDcPAL1)の発現は希釈効果、エリシター、UV-Bなどにより誘導されることが明らかにされている。またgDcPAL1のプロモーター領域にはフェニルプロパノイドおよびフラボノイド(アントシアニン)合成系酵素群のプロモーター上流に広く存在するL-boxと類似する配列(L1-box、L5-box)が存在し、中でもL1-box、L5-boxがgDcPAL1の発現制御に大きく関与していることが明らかにされた。本研究において、Yeast one-hybrid法によりgDcPAL1の発現制御に関与するL1-box、L5-boxに結合する転写調節因子として、MYBタンパク質をコードするcDNAを単離した。このMYBタンパク質について、ニンジン培養細胞等を用い、in vivoでの転写活性化能、結合配列の特異性および核局在性等について解析を行ったのでその結果について報告する。
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© 2004 日本植物生理学会
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