日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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SynechococcusにおけるrbcLSオペロンの発現調節機構の解析
*高橋 由香里前田 真一小俣 達男
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p. 530

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抄録
ラン藻Synechococcus sp. PCC 7942は炭素欠乏下で、RuBisCOをコードしているrbcLSオペロンの転写を活性化する。これまで、このオペロンの炭素欠乏に応答した発現制御機構を調べるために、rbcLSオペロンのプロモーター領域とVibrio harveyiluxABを連結してルシフェラーゼ活性をモニターする系を構築し、プロモーター領域に塩基置換を導入して炭素欠乏への応答に必要なCbbR認識配列を明らかにした。Synechococcusでは二つのCbbRホモログが見つかっており(CmpRとRbcR)、CmpRを欠損してもrbcLSオペロンの発現量は減少しないので、RbcRがrbcLSオペロンの制御因子である可能性が示唆されてきた。rbcRはいかなる条件下でも欠失することができないため、今回、rbcRをシャトルベクターを用いて過剰発現させたところ、過剰発現させていない株に比べてrbcオペロンの転写産物量が2倍に上昇した。このことから、RbcRは、炭素欠乏下でrbcオペロンの転写活性化を行っていると結論づけた。
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© 2004 日本植物生理学会
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