日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

イネ培養細胞から単離された12-oxophytodienoic acid reductase遺伝子のジャスモン酸応答性に関与するシスエレメントの同定
*傍嶋 宏行鈴木 一矢岡田 憲典森 敏西山 真野尻 秀昭山根 久和
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 558

詳細
抄録
イネ培養細胞(Oryza sativaL. cv. Nipponbare)から単離された12-oxophytodienoic acid reductase遺伝子OsOPR1の転写誘導は、ジャスモン酸(JA)処理によって1 時間以内に始まる早い一過性の応答であり、新たなタンパク質生合成を必要としない点で非常に興味深い。我々はOsOPR1の5'上流域を含むゲノムDNA断片を単離後、レポータージーンとしてホタルルシフェラーゼ遺伝子を用いたトランジエントアッセイを行うことでJA応答性のシスエレメントの同定を試みた。OsOPR1の翻訳開始点上流1 kbpについて5'側からのデリーションシリーズを作製し、パーティクルガンにより遺伝子導入後、発現解析を行ったところ、-880 bpと-860 bpの間の20 bpにJA応答性配列が存在することが示された。この20 bpから成る配列には塩基性領域ロイシンジッパーモチーフをもつ転写活性化因子TGAファミリーの結合配列であるTGACGモチーフが含まれていた。このTGACGモチーフに部位特異的変異を導入したところ、JA応答性が顕著に抑制された。以上により、TGACGモチーフがJA応答性のシスエレメントとして機能していることが示され、OsOPR1の転写制御にTGAファミリーの転写因子が関与していることが強く示唆された。
著者関連情報
© 2004 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top