日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ハツカダイコンの肥大化初期根の形態形成に関与する遺伝子の解析
*飯島 恵美西多 功一藤村 達人
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p. 559

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抄録
植物の形態形成は複雑にコントロールされており、多数の遺伝子が関与している。MADS-box遺伝子は花芽の器官発生に関与し、花器官を同定している。加えて、MADS-box遺伝子は花芽以外の栄養生長器官においても形態形成を制御することが確認されている。
このことは、根の形態形成においても、MADS-box遺伝子が関与している可能性を示唆している。本研究では、肥大化初期の根の組織において発現しているMADS-box遺伝子をクローニングし、発現パターンの解析を行うことを目的とした。材料として、肥大化初期に胚軸根の初生皮層が裂開し、肥大化が可視的に判断できるハツカダイコンを用いた。
肥大化初期の胚軸根のmRNAを用い、MADS-box遺伝子において高い保存性を有するMADSドメインのアミノ酸配列を元にdegenerate primerを設計し、3’RACE法を行い、新規MADS-box遺伝子をクローニングした。
クローニングした遺伝子はいずれもMADSドメイン、植物特有のKドメインを有していた。また、それぞれアミノ酸配列において(1)AGL12に72%、(2)AGL15に73%、(3)AGL20に78%、(4)AGL24に67%、(5)SVPに74%、(6)FLCに54%、(7)FUL/AGL8に90%の相同性を有していた。これらの遺伝子を植物各器官においてNorthern blot分析を行い、遺伝子の発現パターンを確認した。
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© 2004 日本植物生理学会
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