抄録
植物は土壌中の無機窒素、主に硝酸イオンやアンモニウムイオンを根から吸収し有機態窒素に同化している。このような無機窒素源の吸収や転流は様々な物質輸送に関与するトランスポーターが機能しているがアミノ酸や無機態窒素を輸送するトランスポーターについては不明な点が多い。そこで、本研究では、マメ科モデル植物であるミヤコグサ(Lotus japonicus)を用い、かずさDNA研究所より分譲された12種のトランスポーター遺伝子について、窒素添加および窒素無添加条件下で発現する遺伝子についてRT-PCR分析した。まず、窒素無添加培地上で60日間生育させたミヤコグサの根、茎及び葉からtotal RNAを抽出し、それらを鋳型にRT-PCRを行った。その結果、いずれの組織でも発現するクローンや茎および葉組織で発現するクローンが認められた。次に、窒素無添加条件で生育させた植物を窒素添加条件に移植し、同様の発現解析を試みたところ、窒素添加にかかわらず、恒常的な発現を示すクローンや24時間以内に発現量が増加もしくは抑制するクローンが確認された。特に窒素添加によって発現するクローンの中には硝酸トランスポーターやアミノ酸トランスポーターと相同性の高いクローンが含まれており、今後はそれらの詳細な解析を行う予定である。