抄録
RNA エディティングとは、ゲノム DNA の配列が RNA レベルで改変される現象で、高等植物の葉緑体 mRNA では 20 ~ 30 ヶ所の C から U への変換型 RNA エディティング部位が同定されている。しかし、その部位認識機構を含め生理的意義や進化的背景は不明な点が多い。我々は、栽培タバコ(Nicotiana tabacum)とその原種 N. sylvestris と N. tomentosiformis 、イネ、エンドウの葉緑体エディティング部位を組織的に同定した。これらとトウモロコシ、シロイヌナズナ等の部位を in silico 解析し部位認識に関与が考えられる特徴を抽出した。一方、タバコ in vitro 系を用いた生化学的な解析により、4 ヶ所のエディティングのシス配列が決定されているが、網羅的な解析には、より効率的な実験系が必要である。そこで、従来の 32P 基質を用いる in vitro 実験系に非 IR アッセイ法を導入することにより、簡便かつ効率的に高速アッセイ化に成功した。