日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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フラボノイドの液胞蓄積に関与するシロイヌナズナTT19の細胞内局在性
*北村 智鹿園 直哉田中 淳
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p. 608

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抄録
フラボノイド化合物は植物の生育に必須でない二次代謝産物であるが、色素や紫外線防護物質などの様々な生体内機能を有する。これらフラボノイドの生合成については徐々に明らかになりつつあるが、細胞質で生合成されるフラボノイドが液胞へ輸送・蓄積される過程についてはほとんど明らかになっていない。我々はイオンビームにより誘発したシロイヌナズナ新規突然変異体tt19より、原因遺伝子TT19を単離した。TT19はグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)様タンパク質をコードしており、アントシアニンの液胞蓄積に必須であることを明らかにした。TT19タンパク質のN末端にGFPを融合させたGFP-TT19タンパク質をtt19変異体で発現させ、アントシアニン蓄積の復帰した形質転換体におけるGFPシグナルの様相を調査した。根においては、融合タンパク質およびコントロール(GFPタンパク質のみ)との間で違いは認められず、ともに細胞質領域でGFPシグナルが検出された。一方、ロゼット葉から単離したプロトプラストでは、コントロールGFPは細胞質に均一に存在しているのに対して、GFP-TT19融合タンパク質は細胞質に存在していたものの、顆粒状に局在しているように観察された。
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© 2004 日本植物生理学会
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