日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナのMg-キラターゼのサブユニットChlI1が持つATPase活性のレドックス制御
*池上 陽紀増田 建本橋 健久堀 徹高宮 建一郎
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p. 630

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抄録
Mg-キラターゼはクロロフィル合成の第一段階であるポルフィリン環へのMg2+の配位を触媒する酵素であり、CHLI, CHLD, CHLHの3つのサブユニットから構成される。Mg-キラターゼの反応にはCHLIによるATP加水分解が必要であり、反応の律速段階である。最近、チオレドキシン(Trx)標的蛋白質のプロテオーム解析により、CHLIが候補として見出された(Balmer et al. PNAS 2003)。CHLIは保存されたシステイン残基を持ち、そのATPase活性がTrxによって制御される可能性がある。そこで、私たちはTrxによるMg-キラターゼのレドックス制御機構を明らかにすることを目指して、シロイヌナズナCHLI1のATPase活性に対するTrxの効果を調べた。
 CHLIにHis-tagを付加した組換え蛋白質を、CuCl2による酸化処理、あるいはDTTにより還元後、SH基修飾試薬AMSを加え、SDS電気泳動で分析した。その結果、還元に伴うCHLI蛋白質のバンドシフトが認められた。Trxを加えるとより低濃度のDTTでバンドシフトが見られた。CHLIのATPase活性は、DTTに依存して上昇し、さらにTrxの添加により、低DTT濃度での活性増加が認められた。以上の結果から、CHLIはTrx標的蛋白質であり、そのATPase活性がTrxによるレドックス制御を受けることが示された。
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© 2004 日本植物生理学会
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