日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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新規PII結合タンパクPamAはPhase-II以降の窒素関連遺伝子の転写に関与する。
*小山内 崇佐藤 修正田畑 哲之小俣 達男田中 寛
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p. 667

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抄録
PIIはBacteria, Archaea, Plantで保存されている炭素/窒素のバランスセンサータンパク質で、窒素欠乏時には2-オキソグルタル酸 (2-OG)が結合し、リン酸化を受ける。我々はSynechocystis PCC6803のゲノムライブラリーを用いた酵母ツーハイブリッドスクリーニングによりPII結合タンパク質としてPamAを同定し、in vitroでの結合を調べ、C末可溶性部位がPIIと結合し、さらにATP & 2-OG存在下でPIIとPamAが解離する事を発見した (小山内他 2003年日本分子生物学会)。pamA破壊株 (GN10) を用いた研究により、この株では窒素関連グループ2シグマ因子sigEを含む数種の窒素関連遺伝子の転写が減少していることが明らかとなった。GN10において、野生型と比べ転写量の変化した遺伝子・変化しなかった遺伝子を分類した結果、PamAは窒素欠乏一段階目(Phase-I)の遺伝子の転写には関与せず、二段階目(Phase-II)以降の遺伝子の転写に関与する事が示された。このように、シアノバクテリアでは窒素欠乏時に遺伝子発現カスケードが存在し、PamAはPhase-II以降の窒素関連遺伝子発現に関与する事が示唆された。
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© 2004 日本植物生理学会
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