日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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光非依存型プロトクロロフィリド還元酵素を構成するコンポーネントBchLおよびBchNBの生化学的性質
*野亦 次郎井上 和仁Lee SwemCarl Bauer藤田 祐一
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p. 669

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抄録
光非依存型プロトクロロフィリド還元酵素(DPOR)は、プロトクロロフィリド(Pchlide)のD環を還元し、クロロフィルの直接の前駆体クロロフィリドを生成する酵素であり、光合成生物の暗所でのクロロフィル合成を決定づけている。紅色非硫黄細菌Rhodobacter capsulatusのDPORはBchLとBchNBの二つのコンポーネントで構成されており、前回の本年会では、それら各コンポーネントの大量発現系と活性の再構成系について報告した。今回、この大量発現系を利用して、各コンポーネントの活性を個別に評価する系を確立し、それらの生化学的性質について検討した。嫌気条件下でBchLの大量発現株から調製した粗抽出液に、BchNBを含む粗抽出液を順次添加してPchlideの生成量を測定することによりBchNBの活性を、また、逆の組み合わせによりBchLの活性を評価することが可能となった。この活性評価系を利用して、各コンポーネントの酸素耐性を検討した。その結果、BchNBは酸素に対し安定であるのに対し、BchLはきわめて高い感受性を示した(半減期約30分)。また、アフィニティタグを用いて精製したBchLのEPR測定を行ったところ、[4Fe-4S]型鉄硫黄クラスターを示すシグナルを検出した。各コンポーネントの生化学的諸性質と、それに基づいたニトロゲナーゼとの相異について考察する。
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© 2004 日本植物生理学会
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