日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ABA情報伝達系で働くシロイヌナズナMYC相同性因子RD22BP1を中心とした転写制御機構の解析
*安部 洋浦尾 剛関 原明伊藤 卓也小林 正智篠崎 一雄篠崎 和子
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p. 744

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抄録
シロイヌナズナのRD22遺伝子は植物ホルモンのアブシジン酸(ABA)を介して乾燥ストレスにより誘導される。rd22遺伝子のプロモーターにはABA Responsive Element(ABRE)が存在せずMYC認識配列及びMYB認識配列がABAを介した乾燥応答性のシスエレメントとして働いていることを明らかにした。また、これらのシス配列に結合するMYC相同性因子RD22BP1とMYB相同性因子ATMYB2を単離した。RD22BP1及びATMYB2は共にRD22遺伝子の乾燥応答性のシスエレメントを介した転写活性化能を有しており、これら両因子を過剰発現させた形質転換植物体ではRD22遺伝子のABA誘導性遺伝子発現が増大した。同時にこれら植物体ではABAに対する感受性が高まっていた。更にマイクロアレイ解析を行った結果、幾つかのABA誘導性遺伝子の発現が確かに増大していることが明らかとなった。逆にこれら因子の遺伝子破壊植物体ではABAに対する感受性が減少した。以上のことから、これら両因子はABAを介した乾燥誘導性遺伝子発現を制御していることが明らかとなった。今回、我々はRD22BP1と相互作用する因子を酵母のTwo Hybrid法により単離した。現在、それら因子のABA情報伝達系での機能について解析中である。
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© 2004 日本植物生理学会
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