日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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NMRによるphytochrome B PAS1およびPAS2 domainの立体構造解析
*田畑 亮三島 正規小林 俊達赤木 香予加藤 悦子高野 誠山崎 俊正児嶋 長次郎
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p. 793

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抄録
 赤・遠赤色光可逆反応の光受容体として知られているフィトクロムにはPAS domainがタンデムに並んで存在しており、アラビドプシスの変異体解析から光応答反応において重要な役割を果たしていることが知られている。本研究では、溶液NMRを用いてイネフィトクロムBのPAS1 domain (L647-A782)およびPAS2 domain (L806-A923)の構造解析を試みた。
 まず、大腸菌発現系を用いて、13C /15 N安定同位体標識したPAS2 domainを大量発現及び精製し、NMR測定した。多核多次元NMRスペクトルを用いた連鎖帰属法により、主鎖118残基のうち1残基目を除く全ての残基において帰属が完了した。また二面角の情報を用いてTALOSによる二次構造解析を行なった。既に構造解析された他のPAS domainと比較して、イネフィトクロムB PAS2 domainは12%以下のアミノ酸配列相同性を示すにもかかわらず、非常に類似した2次構造のトポロジーを有していることがわかった。現在、PAS1 domainおよびPAS2 domainの構造解析を進めている。さらに、フィトクロムのC末端領域を介した2量体形成能に関して、PAS1 domainおよびPAS2 domainの自己会合、PAS1-PAS2間相互作用をNMRにより解析中であり、その結果も合わせて報告する。
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© 2004 日本植物生理学会
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