日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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SSH/MOS法によるカンキツ‘無核紀州’受精胚珠の発現遺伝子の解析
*清水 徳朗遠藤 朋子島田 武彦藤井 浩吉田 俊雄大村 三男
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p. 018

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抄録

果実の無核性は果樹品種の付加価値を決める重要な形質である。紀州ミカン‘平紀州’は有核性であるが、その変異種と考えられている‘無核紀州’(Citrus kinokuni hort. ex Tanaka cv. Mukaku Kishu)では受精しても接合体が発育しない結果、無核果実を生産する。 連鎖解析よりこの無核性には単一の優性遺伝子が関与していると考えられており、その特性を利用した無核性カンキツ品種がこれまでに育成されている。我々は受精胚の発育停止の分子機構を解明する目的で無核性遺伝子と連鎖が認められるDNAマーカーを得て連鎖地図上へのマッピングを進めている。今回、無核性の分子機構を明らかにする目的で、受精後8週間目の‘平紀州’、‘無核紀州’胚珠から抽出したRNAを用いて、suppression subtractive hybridization (SSH)法により両品種の胚珠で特徴的に発現している遺伝子の単離を試みた。MOS法により非特異的なcDNAをあらかじめ除き、正逆のそれぞれ約200クローンについて配列を決定した。クラスタリングにより各品種の胚珠に特異的と思われるクローンについて解析を進めており、その結果について報告する。

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© 2005 日本植物生理学会
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