日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネレトロポゾンp-SINE1の発現制御へのsiRNAの関与
*大平 高之土本 卓大沢 勇久大坪 栄一大坪 久子
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p. 039

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抄録
p-SINE1はRNA ポリメラーゼ III (pol III) によって転写されるイネのレトロポゾンである。我々は以前、 p-SINE1転写産物量がDNA メチル化阻害剤処理で顕著に増加することを示した。これは p-SINE1の発現抑制に DNA メチル化が関与することを示唆する。 p-SINE1転写産物と同じ配列を持つメンバーのDNAメチル化を調べたところ、p-SINE1配列特異的に、CG配列のみならずそれ以外の配列のシトシンも強くメチル化されていることがわかった。このメチル化の特徴は、short interfering RNA (siRNA)の関与する RdDM (RNA-directed DNA metylation)によるメチル化に類似している。そこで本研究では、p-SINE1 の発現制御へのsiRNAの関与を調べることを目的として、siRNAの解析を行った。その結果、p-SINE1由来のsiRNAがイネ細胞中で生じていること、及び細胞をDNAメチル化阻害剤処理すると、p-SINE1転写産物量の増加に伴い、siRNA量が顕著に減少すること、がわかった。これらの結果はsiRNAがp-SINE1の発現制御に関与していることを示唆する。
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© 2005 日本植物生理学会
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